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ぜんそくと匂いについて

[2019.08.20]

強い香りや匂いが引き金になり、喘息発作がでるかたがいます。しかしその詳しいメカニズムはわかっていませんでした。2014年にアメリカ、モネル科学感覚センターは不快でない香りで化学構造的にも呼吸器等に悪影響を及ぼさないフェニルエチルアルコール(バラの香り成分)を軽い喘息の17名の方に匂ってもらう検討をいたしました。

ただ事前に、8名にはフェニルエチルアルコールはぜんそく発作をおこす可能性があると説明し、残りのひとたちには呼吸器の健康増進のやくだつと説明の上で15分間この匂いの中で過ごしてもらいました。喘息に良くないと説明された方には、気道の収縮や炎症が起こり喘息発作につながる反応がでましたが、ぜんそくに良い匂いと聞いていたグループでは自覚症状の訴えも少なく、その他の体の反応もあまりみられませんでした。

このことから、匂いが引き金のぜんそく発作は、その人自身の考えや知識にも左右される事が明らかになったとしています。症例数がすくなくこれだけでは断言できませんが、その人自身が体の良くないと考えている匂いは、ぜんそく発作をおこすリスクを高めるようです。

 このことを踏まえ、外来にタバコの匂いで気分が悪くなる方が付き添いでこられた時に、三次被害もかんがえられますが精神的関与も言われていますと説明さしあげたことがあります。不満そうな顔をされていました。医学の進歩が日進月歩の時代、新しい情報をどのように誤解なく患者さんにつたえるべきか、病気に対する説明の難しさを感じております。この秋から健康保険適応の禁煙外来も開始いたしました。

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